これまでクレジットカードで貯めたポイントはショッピングやカード代金の支払いに使うというのが一般的でしたが、「インヴァストカード」はポイントで投資ができるクレジットカードです。
インヴァストカードは株式会社ジャックスとインヴァスト証券が提携して発行しています。
クレジットカードの利用で貯めたポイントはインヴァスト証券の「マネーハッチ」を通じて毎月自動的に世界のETF(上場投資信託)へ投資されます。
投資には興味あるけど、値下がりするリスクが怖いので自分のお金で挑戦するのはちょっと。という方にはポイントで無理なく投資が始められますし、実際の取引を通じて資産運用の勉強ができると思います。
インヴァストカードを持つことが将来の資産を形成するきっかけになるかもしれないと考えれば、今までのクレジットカードにはない新しい価値を見つけることがができるかもしれません。
またポイントを貯めても結局無駄なショッピングをしてしまい、あまり節約につながっていないという方や、お買い物リレー等ポイントアップのために買い物に振り回されて疲れてしまうという方は、ポイントのための無駄な出費がなくなって、かえって節約できたりするかもしれません。
前置きが長くなりましたが、インヴァストカードについて詳しく見ていきましょう。
もくじ
インヴァストカード申し込む前に理解しておくべきこと
インヴァストカードに申し込むにはインヴァスト証券に口座を開設する必要があります。
またポイントでの投資とはいえ投資は自己責任で行うものですので、投資の対象や仕組みについてもしっかり理解しておく必要があります。
インヴァスト証券の「トライオートETF」という店頭CFD口座が必要
インヴァストカードを利用するには、インヴァスト証券の「トライオートETF」という店頭CFD口座を事前に開設する必要があります。
これはポイントで投資を行う「マネーハッチ」というツールがこのトライオートETC口座を使って行うために必要なものです。
「トライオートETF」自体も売買ツールで、これを使えばまとまった資金で本格的に世界中のETCの自動売買を行うこともできますが、インヴァストカードのポイントでマネーハッチを使うだけであればトライオートETF口座に入金したり、取引を行う必要はありません。
口座維持費等も一切かかりませんので、あまり難しく考える必要はないと思います。
投資先は海外ETF(上場投資信託)
マネーハッチで行う投資先はETFと呼ばれる上場投資信託で、中でも海外ETCを中心とした銘柄になっています。
ETCは投資信託ですが、証券取引所に上場されているためリアルタイムに取引ができる柔軟性や透明性、コストの安さなどから人気の金融商品となっています。
マネーハッチで取り扱っているETFは「世界株ETF」、「日経225ETF」、「S&P500ETF」など、組み入れている銘柄は世界中の大手上場企業の株式が中心となっていますので、投資信託でインデックスファンドを購入する位の感覚でよいのではと思います。
CFD(差金決済取引)を採用している理由
CFD「差金決済取引」とはContract For Differenceの略で、売買時の利益や損失などの差額の部分だけを決済する取引で、実際に有価証券の受渡しは行われません。
本来は少額の証拠金を元にレバレッジを効かせて証拠金の何倍もの取引が行えるリスクの高い決済方法で、この方法で外国通貨の取引を行うのがFX(外国為替証拠金取引)です。
ただ、このマネーハッチでは、CFDの特徴を生かし「円のまま」「元本為替リスクなし」「少額での買い付けでも手数料ゼロ」の取引をできるようにしています。
またレバレッジも0.1倍から5倍までの間で設定できるため、ETFを0.1口という従来の1/10からでも買い付けができるようになっています。
これによりクレジットカードで貯めた1,000ポイントとかでも買い付けができる仕組みを実現しています。
CFDの仕組みをリスクを抑える方向で上手く使っている感じですね。
この辺りはインヴァスト証券の「マネーハッチ入門ガイド」で詳しく解説されています。
ポイントでの少額の投資だとしても、投資はあくまで自己責任で行うものですので、必ずご自身でしっかりお読み頂き、ご納得いただいた上で口座の開設を進めてください。
投資にかかるコスト
インヴァスト証券では口座維持費等は無料ですが、CFD「差金決済取引」を利用することで実質的にドルを借りていることになるため、1.25%+Liborの金利コストがかかります。(Liborとはロンドン市場における銀行間取引金利のことです。)
Liborは毎月変動しますが、最新の金利情報はインヴァスト証券のホームページで確認できます。
他の会社のCFDでは2%+Libor~3%+Libor程度の設定が多い中で、比較的良心的な設定になってはいるようです。
CFDを利用することで元本為替リスクをゼロにすることポイントでの投資が可能になっているので、まあ仕方がないところでしょう。
インヴァストカードに申し込める方
インヴァスト証券の口座開設基準に基づき、カードに申し込める方は高校生を除く20歳以上の電話連絡の取れる方となっています。
カードの申込前にインヴァスト証券の口座開設が必要です。
口座開設も申込はインターネットから最短5分程度で行えますが、マイナンバーカード(個人番号カード)、もしくは通知カードと運転免許証などの本人確認書類が必要です。
申込の際に画像をアップロードするか、コピーを郵送する形で提出します。
インヴァストカードの年会費
インヴァストカードの年会費は1,250円(税抜)ですが、初年度は年会費無料、年1回以上の利用で2年目以降も年会費無料になりますので、普通に使っていれば年会費がかかることはありません。
家族カードの年会費は400円(税抜)ですが、本人会員が入会初年度のは同様に初年度無料、2年目以降は本会員・家族会員の合算で1回以上の利用があれば無料になります。
家族カードは3枚まで発行可能です。
ETCカードは発行手数料、年会費とも無料です。
インヴァストカードのポイント還元率
インヴァストカードでは月間の利用合計金額に対し100円(税込み)=1ポイントのインヴァストポイントが貯まります。
インヴァストポイントは1ポイント=1円としてインヴァゥト証券の口座に自動的にキャッシュバックされますので還元率は1%です。
月の合計金額かつ100円単位で計算されますので無駄が少なくてよいですね。
ただし、下記の利用についてはポイント対象外です。
- nanaco、Edyのチャージ代金
- カード年会費
- キャッシング利用代金
年会費は普通に使っていればかからないので気にしなくてよいと思いますが、nanaco、Edyへのチャージが対象外なのはちょっと残念ですかね。
nanacoへのチャージで税金などの支払いでポイントを貯めることはできませんが、最近はYAHOO公金支払いで自動車税や住民税、国民健康保険なども支払えるところが増えてきましたので、手数料を考慮する必要はありますが、うまく活用すれば税金などでもポイントが貯められるかもしれません。
JACCSモールを経由して還元率アップ
インヴァストカードでは、JACCSカードのポイントアップモール「JACCSモール」が利用できます。
JACCSモールには、Amazon、楽天市場、YAHOO!ショッピングをはじめとする500以上のショップが参加しており、ショッピングの際にJACCSモールを経由して購入するだけでショップによっては最大12%分のJデポがもらえます。
Jデポとは請求額から自動的に値引きをしてくれるシステムで、ポイントのように自分で明示的に使うための手続きをしなくても、ショッピング利用金額の中から値引きが適用されます。
請求時値引きなので投資に利用することはできませんが、大半のオンラインショッピングサイトがかなりお得になりますので、うまく活用しましょう。
パソコンのブラウザで利用される方は、JACCSモールチェッカーというアドインソフトをいれておくと、JACSSモールに参加しているショップのサイトに行った時に、こんな画面が表示されますので、経由漏れの防止に役立ちます。
クレジット利用からポイントが投資までの流れ
インヴァストカードの利用から実際に投資されるまでの流れはこんな感じになります。
- インヴァストカードのクレジット支払いを利用する(末日締め/翌月27日払い)
- 月の合計利用金額100円(税込)ごとに1ポイントのインヴァストポイントが貯まる。
- インヴァストポイントが1ポイント=1円として1ポイント単位で証券口座にキャッシュバック(毎月20日頃)
- マネーハッチの設定に基づき自動投資
マネーハッチでの投資対象について
マネーハッチでの投資対象のETCは、「投資スタイルを選ぶ」画面から変更することができます。
当初は以下の3つの銘柄にそれぞれレバレッジの有無が選べる6種類の投資スタイルが用意されており、初期の設定はバランス重視の「世界株ETF自動売買(レバレッジなし)」となっています。
- 世界株ETF自動売買(レバレッジなし or レバレッジ1.5倍型)
バランス重視、世界の株式80%に分散されているETFなのでリスクリターンが低い - S&P500ETF自動売買(レバレッジなし or レバレッジ1.2倍型)
リターン重視、米国を代表する500の株式で構成された超有名なETF、過去20年で価格が4倍に上昇 - 日経225ETF自動売買(レバレッジなし or レバレッジ1.2倍型)
リターン重視、日経225は海外系の株式を原資産とするETFよりも比較的価格の動きがなだらか
取引経験を積んだり条件をクリアすることで選べる種類が増えていきく仕組みになっています。
インヴァストカードのカードデザイン
インヴァストカードのカードデザインは、シンプルながら上質な素材を使った裏面までブラックになっており、まるでブラックカードのような仕上りになっています。
インヴァストカードの家族カード
インヴァストカードの家族カードは本人会員と生計をともにする同性・同居の配偶者、子供(高校生を除く18歳以上)、両親が対象で3枚まで発行できます。
家族カードの年会費は400円(税抜)ですが、本人会員が入会初年度のは同様に初年度無料、2年目以降は本会員・家族会員の合算で1回以上の利用があれば無料になります。
家族カードの利用で貯まったポイントは本人会員に貯まりますので、家族が証券口座を開設する必要はありません。
インヴァストカードのETCカード
インヴァストカードのETCカードは発行手数料、年会費とも無料です。
ETCカードの利用もインヴァストポイントの対象です。年会費無料で利用できる還元率1%のETCカードはそれほど多くはないですし、高速道路などの利用額も投資につながりますので利用する価値は高いと思います。
インヴァストカードに付帯する保険や保証など
インヴァストカードには年会費実質無料ながら国内旅行保険が付帯しています。
最高1,000万円の国内旅行傷害保険
インヴァストカードには傷害死亡・後遺障害保険金時に最高1,000万円の国内旅行傷害保険付帯が付帯しています。
利用付帯のため、旅行代金をインヴァストカードで支払った場合に限られますが、年会費実質無料のカードとしては良心的な設定だと思います。
カード盗難保険
インヴァストカードの紛失・盗難によって不正使用の損害受けた場合、警察に被害届を出して、ジャックスカードに受理番号を届けることで、届出前後のそれぞれ60日間、計121日間補償されます。
ネット安心サービス
インヴァストカードがインターネットで不正利用で受けた被害について、ジャックスカードへの届出日から90日間までさかのぼって補償されます。
インヴァストカードのショッピング枠
インヴァストカードの初期のショッピング枠は60万円もしくは40万円のいずれかを申込の際に選択する形になります。
インヴァストカードの締め日、引落日、利用金額の確認など
インヴァストカードは末日締め、翌月27日の口座引落しとなっています。
インヴァストカードの利用額や請求額などはジャックスカードのWEB会員システム「インターコムクラブ」にログインして確認できます。
インヴァストカードの新規入会特典
インヴァスト証券に口座を開設し、インヴァストカードの審査が承認されると1,000円がインヴァスト証券のトライオートETF口座(積立)に入金され、マネーハッチでの投資に利用できます。
インヴァストカードのまとめ
インヴァストカードのポイントを纏めてみるとこんな感じになります。
- 年会費実質無料
- インヴァスト証券に口座の開設が必要、証券口座は維持費などは無料
- ポイント還元率1%、月間の利用合計100円単位で計算されるので無駄が少ない
- ジャックスモールの利用で獲得したポイントはJデポでの請求時値引き
- ポイントはインヴァスト証券口座に自動的にキャッシュバックされ投資される
- 投資対象は世界株ETFや日経225ETFなどから選べる
- 投資対象や自動売買の設定はマネーハッチを使って変更できる
- 国内旅行保険(最高1,000万円)が利用付帯
何といっても1%還元でもらえるポイントで投資の世界を経験できるという貴重なサービスが最大の特長です。
投資には興味あるけど、損はしたくないと資産運用をされてこなかった方も、ポイントでの投資ならお試し感覚で使ってみていただけるのではと思います。
もちろんポイントだけで大きな資産を築くことはできないと思いますが、インヴァストカードを通じて得られる資産運用の経験は、将来の資産を作るきっかけになるかも知れません。
授業料がいらずに勉強できると考えれば、ポイント還元率以上の価値があるクレジットカードになる方もいらっしゃるのではと思います。
あとは今の共通ポイントの歯列なポイント還元レースに乗って、頑張って買い物をしてポイントを貯めても結局無駄なショッピングをしてしまって疲れてしまうという方には、ポイント消化のための無駄な出費がなくなって、かえって節約できたりするかもしれません。
年会費無料で利用できますので、一度お試しいただくとよいかもしれません。