2019年10月の消費税増税に伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度「キャッシュレス・ポイント還元事業」では、クレジットカード、電子マネー、バーコード決済やデビットカード、プリペイドカードなど、現金以外の支払いは2%もしくは5%還元の対象ですが、支払い方法や決済事業者により、還元方法が異なっています。
ちょっとややこしいので、支払い方法と還元方法の違いについて整理してみたいと思います。
もくじ
クレジットカード会社の還元方法
クレジットカード払い時の還元方法は「請求時値引き・ポイントから請求額を相殺」もしくは「ポイント還元」になります。
ほとんどのクレジットカード会社では月間の還元上限金額は15,000円相当までとなっていますが、ヤフーカードは上限25,000円相当、東急カードは上限50,000ポイントとするなど異なる上限設定のカード会社もあります。
クレジットカード会社が発行するデビットカードやプリペイドカードの場合には、口座への返金や残高へ加算という形になります。
- デビットカード:銀行口座に返金(利用日の翌月以降)
- プリペイドカード:残高に加算(利用日の翌月以降)
請求時値引きを採用している主なクレジットカード会社
- JCBカード
- 三井住友カード
- クレディセゾン
- UCカード
- 三菱UFJニコス
- dカード
- イオンカード
- ビューカード
- アメリカン・エキスプレスカード
- ダイナースクラブカード
- ポケットカード(ファミマTカード、Tカードカードプラス以外)
など
一部のカード会社は一旦ポイントで還元し、請求時に自動で相殺という形になっています。
大手のカード会社ではポイントプログラムが1,000円につき1ポイント(1ポイント=5円相当)というルールだったりするので、対象店舗の利用が月に1,000円未満だったときの対応や、利用店舗によって還元率を変更するためのシステム改修のコストなどを考えると値引きにしてしまう方が対応しやすいという理由のような気もします。
まあ値引きにしてくれる方が、わかりやすいし端数分の無駄とかもないのでありがたい対応ではありますが。
ポイント還元を採用しているクレジットカード会社
- 楽天カード
- ヤフーカード
- オリコカード
- 東急カード
- エムアイカード
- エポスカード
- ファミマTカード、Tカードカードプラス(ポケットカード)
ポイント還元の場合には有効期限があったりしますが、ヤフーカードは月の上限25,000円相当のPayPayボーナスライト、東急カードは月の上限50,000ポイントまでのTOKYU POINTとするなど、他のカード会社よりも還元額の上限が上回る設定にしている会社もあります。
バーコード決済・QRコード決済提供事業者の還元方法
PayPay、LINE Pay、d払い、楽天Payなど主なスマホ決済・バーコード決済などの還元方法はこんな感じです。
基本的に支払いに使えるポイントに相当するものが付与され、上限がカード会社よりも高くなっている感じです。
決済方法 | 還元内容 | 月の上限 | 還元時期 |
d払い | dポイント | 30,000ポイント | 翌々月 |
PayPay | PayPayボーナス | 25,000円相当 | 翌月20日前後 |
LINE Pay | LINE Payボーナス | 30,000円相当 | QRコード:即時 オンライン支払:即時 LINE Pay カード:翌月 QUICPay+:翌月 |
メルペイ | ポイント | 30,000円相当※ | コード払い:翌週月曜 iD払い:翌月25日 |
楽天ペイ | 楽天スーパーポイント | 25,000ポイント/回 | 翌々月末日 |
※d払いの支払い方法をdカードや他のクレジットカードに設定している場合もdポイント還元になりますが、クレジット・カード会社の請求時値引きやポイントは対象外になります(重複還元なし)。
LINE Payは2020年1月1日以降は「LINEポイント」が付与されます。
メルペイについては「メルペイコード払い」と「メルペイ電子マネー (iD)」でそれぞれ毎月最大P15,000までです。
楽天ペイでは、キャッシュレス還元事業実施中は楽天ペイ支払いの200円=1ポイントは付与されません。
PayPayではPayPayが独自に5%を上乗せする「まちかどペイペイ」も実施されています。
2019年10月の消費税増税に伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度って?
2019年10月より消費税率が10%と2%アップになりましたが、増税後の景気後退を防べく、国からの補助金で、6ヶ月間限定で私達の税負担を軽くしてくれるというものです。
対象をキャッシュレス決済に限定したのは、日本人は世界的にみてキャッシュレス決済の普及が大きく出遅れているのを、この機会になんとかしたいということですね。
増税が実施される2019年10月から2020年6月末までの9カ月間、対象店舗でのキャッシュレス決済に限り最大5%のポイント還元になっています。
対象店舗は「中小・小規模事業者」で「加盟店登録済」のお店やサービスです。
大手コンビニチェーン、飲食チェーンなども「中小・小規模事業者」がフランチャイズに加盟し経営している場合は、値引きの対象ですが、還元率は2%となります。
- フランチャイズ店:ポイント2%還元
- フランチャイズ店以外:ポイント5%還元
このあたりの詳細についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ご確認ください。
軽減税率適用商品なら増税前よりもお得に!
2019年10月に実施された消費増税では「軽減税率制度」により、「酒類・外食を除く飲食料品」、「週2回以上発行される新聞」の購入なら税率は8%のままとなっていますので、「キャッシュレス・ポイント還元事業」の対象店舗でキャッシュレス決済で購入すると、増税前に比べ2~5%もお得になります。
こちらは2019年10月以降のセブンイレブンのレシートですが、「※]マークの軽減税率対象商品の購入でしたので税率は8%のままキャッシュレス還元されています。
このときに利用したキャッシュレス決済は「QUICPay」ですがその理由は、JCBカードが2019年12月15日まで実施している「20%キャッシュバックキャンペーン」の対象にするためです。
私はリクルートカードプラスをiPhoneに登録してApple PayのQUICPayを使っていますが、今回のセブン-イレブンの買い物では合計24%還元になります。
- JCBカード20%キャッシュバックキャンペーン:20%
- リクルートカードプラスカード払い分(リクルートポイント):2%
- キャッシュレス還元額:2%
JCBカードの20%キャッシュバックキャンペーンについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
コンビニエンスストアの2%値引きとダブルで適用される?
2019年10月の消費税増税に伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度にて「コンビニ大手4チェーンがキャッシュレス決済時に還元対象の2%相当の金額を値引き」を実施中ですが、コンビニで2%分の値引きを受けた利用額に対して、カード会社からも還元は受けられるのでしょうか?
答えは「ノー」です。
今回のキャッシュレス・消費者還元事業では、以下のような流れで還元がされます。
キャッシュレス決済事業者が国から補助金を受け、消費者にポイント等で還元する流れとなっているので、コンビニエンスストアが値引きで対応するとなると、それを補填するためには、キャッシュレス事業者が値引き分を上乗せして入金するなどの対応が必要です。
いずれにしても、コンビニもカード会社も国からの補助金を還元するだけですので、コンビニで買い物時に値引きを受けた利用額は、カード会社としてはキャッシュバック対象金額の対象外です。
コンビニの値引き対応についてはこちらの記事でも紹介しています。
キャッシュレス決済は一気に普及する?
2019年10月の消費増税に伴う最大5%ポイント還元「日本どこでもキャッシュレス最大5%還元」の効果によりキャッシュレスは一気に普及するのでしょうか?
これについては、対象のお店がどの程度まで増えるのかに左右されると思います。
7月時点では私が住んでいる地域のお店は、正直普段の買い物で利用するお店が少なく、微妙な感じでしたが、その後リストでは街のお店ではフランチャイズチェーンの具体的なお店も掲載され、その中には、セブンイレブン、マクドナルド、カレーハウスCoCo壱番屋、ぎょうざの満州、牛角、ベローチェなどの名前もありました。
また楽天市場、Yahoo!ショッピング、その他ECサイトの対象店舗も掲載され、大分盛り上がりつつある感じがします。
個人的には、個人で経営されている飲食店の方々にどんどん加盟していただきたいです。
最新の登録済みの加盟店リストは以下のページで検索できます。
キャッシュレス還元になるお店(キャッシュレス還元事業ホームページ)
アプリで検索できるようになりましたので、近くのお店をご確認ください。
キャッシュレス決済は使わないともったいない
私はランチで現金しか使えない飲食店やお弁当屋さん(月に数千円程度)以外は全てキャッシュレス決済で、個人的にはキャッシュレス決済は使わないともったいないと思っています。
その理由(キャッシュレス決済のメリット)はこんな感じです。
- 現金払いよりお得(ポイントや残高が還元される)
- お店での支払いがスムーズ(現金に触らなくて済む)
- 使った履歴がスマホで確認できる(レシートがなくても勝手に家計簿も作れる)
- ATMで現金を引き出す必要がない(ATM手数料もかからない)
- 紛失・盗難、不正利用時の補償がある
おすすめのキャッシュレス決済5選
私が実際に超お得に利用しているキャッシュレス決済を5つ紹介します。
- dカード・iD・d払い
街のお店は5%還元、ネットなら最大27倍など、とにかくdポイントがお得に貯まる
10/14までd払いで20%ポイント還元キャンペーン中
この記事ではdカード GOLDを実際に4年以上メインカードとして毎年100万円以上使い倒してきた中で、実感しているメリット・デメリット、dカ...- リクルートカード(JCB)・QUICPay
何に使っても1.2%還元、JCBなら12/15まで20%キャッシュバック中
リクルートカードはポイント還元率1.2%、年会費永年無料のクレジットカードとしては最高水準を誇るクレジットカードです。 貯まっ...- ビューカード・Suica・JRE POINTカード
Suicaへのチャージや定期券の購入で1.5%、JRの駅ビルならJRE POINTカードとSuicaの利用で還元率2.5%以上
JR東日本グループの共通ポイントとして、JRの駅ナカや駅ビルの利用やビューカード支払いで貯まるのがJRE POINTです。 そんなJR...- ヤフーカード・PayPay
PayPayのチャージと利用でTポイントとPayPay残高がダブルで貯まる
PayPay残高にチャージできる唯一のクレジットカード
Yahoo!ショッピング、LOHACOでポイント還元率3%、Yahooプレミアム会員ならいつでも+5%、さらにソフトバンクユーザーなら+5%...- イオンカードセレクト+WAON
イオンの買い物が月3~4回は5%OFFにできる
WAONのオートチャージと利用のダブルでポイントが貯まり1.5%還元
イオンカードには提携カードを含めると50種類以上のカードがありますが、イオンカードの中でイオンのお買い物が「最もお得になる」のは何と言っても...このあたりについてはこちらの記事で紹介していますので、ぜひご確認ください。
キャッシュレス決済とは、現金(紙幣や硬貨)を使わない支払い方法全般のことです。 キャッシュレス決済というと、Pay PayやL...コンビニのお得な使い方についてはこちらの記事で紹介しています。
※セブン&アイ系のセブンカード・プラス、nanaco、QUICPay(nanaco)は2019年7月より、ポイント還元率が引き下げに...コンビニエンスストアでお得に使えるキャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、スマホ決済)を徹底的に調査するシリーズ、今回はローソンを...コンビニでお得なキャッシュレスの使い方、今回は「ファミマ」でお得なクレジットカード・電子マネー・QRコード・スマホ決済などキャッシュレスの使... - リクルートカード(JCB)・QUICPay